2017年03月06日

My Eternal Soul~草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館

 圧巻の展覧会だ。草間の偉大なる過去を振り返りながら、草間の現在に圧倒される。悲しいまでの芸術家としての性を感じる。現在87歳。もうまもなく88歳だ。それでもなお、過去はプロセス、今が出発点と言い切る。現役の、最も世界に影響力のある芸術家のひとりにしてこの態度。ただ、圧倒され、言葉を失うしかない。これはすべての芸術家、創作家に必見の展覧会だ。その覚悟を問われる。普段はなにかと東京と相性があわない私だが、このときばかりは東京に今居ることができたことを至福だと感じた。

My Eternal Soul~草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館

 私は絵画の人ではなく、どちらかというと言葉の人なので、冒頭のメッセージからガツンと殴られた気がした。ここに備忘録として、全文を転載する。

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草間彌生から世界のみなさんへのメッセージ

今、世界は様々な国々や人々の争いの中に騒然として美しい平和とは遠い中で、人々の悩みはいっそう深くなっていきます。この混迷の地球の中の雑然とした世界の中で今こそ何を望み、人間としての毅然とした姿勢をいっそう高め、社会の一員として素晴らしい世界をみんなで力を合わせて構築してゆくべきだと思います。
私は毎日朝から晩まで芸術の製作に命がけで闘っています。
私の心の限り、命の限り、真剣に作り続けたこれらの我が最愛の作品群を私の命の尽きた後も人々が永遠に私の芸術を見ていただき、私の心を受け継いでいって欲しい。
永遠に輝いた未来、そして人間愛の美しさと私のこの魂を受け継いでゆく事こそ絶大なる死後の私の願いであります。
私は芸術家として70年以上も作品を作り続けて毎日生命の尊さを祈り続けて参りました。私の心が沈んだときや、希望が薄れたとき、悲しみのとき、いつも私を支え救ってくれたのは、私の芸術家としての強い生命の輝き、それにより力をもって生き続けてこれました。
それらの力こそ私の人間としての信念でありました。
人生の浮き沈みの中に、いつも志を強くもって生きてきた今日にいたるまでの人生の歩み、それらの人生路の長かりし日々を私は真剣に、そして命がけで過ごしてきたことを、心から誇りに思っております。
「芸術家としての生きる心構え」が私の一生を支えてきました。
”芸術の想像は孤高の営みだ”
それは世界の人たちと感動を共にすることに命を賭して成し遂げるものだと思います。
私のメッセージとしてこの信念を世界の人々に伝えたい。
私は死ぬまで闘い続けたい。私が死んだあとも皆さん、どうぞ私の創造への意欲、芸術への希望と私の情熱を少しでも感じて頂けたらうれしい。
多くの若い人やこれからの新しい世界をつくっていく方々が何か精神的な悩み、そして人生に対する悩み、そういったものがあった時に、私の生きてきた道のりや、私が唱えてきた世界観や思想を乗り越え、皆で偉大なる世界をつくられていくことこそが絶大なる私の希望であります。それを心より願っております。

さあ、闘いは無限だ
もっと独創的な作品をたくさんつくりたい
その事を考える眠れない夜
創作の思いは未来の神秘への憧れだった
私は前衛芸術家として宇宙の果てまでも闘いたい
倒れてしまうまで

これまで私の芸術の発展に力を貸してくださった多くのみなさまに心からありがとうと申し上げます。

前衛芸術家 草間彌生

My Eternal Soul~草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館
My Eternal Soul~草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館
My Eternal Soul~草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館
My Eternal Soul~草間彌生 わが永遠の魂@国立新美術館
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Posted by 仲村オルタ at 23:06
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仲村オルタ
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台湾より沖縄復帰後1年で関西へ。まさかの東京暮らしを経て、流れ流れて今は沖縄暮らし。
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