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Posted by TI-DA at

2007年08月28日

中元拝拝

 沖縄ではウークイだが、27日月曜日は台湾では中元拝拝の日だ。
 会社ではビルごとに中元節の日の拝拝が行われる。
 個人的に興味があったので、今年からうちの事務所でも参加してみようということになった。


ビルの前に集合

 拝拝のお供え献上台となる机を置くために、今日ばかりはバイクの駐車を制限している。この台に、会社単位で供え物を並べる。うちの事務所でも段ボール2箱分くらいを供える。
 この供え物は好兄弟のためのものだ。線香に火をつけ、お供えものに差したり、たてかけたりする。兄弟たちが食べてよいものかの目印となる。


普渡公

神様へ渡すお金

 まずは普渡公という神様に祈る。そして、神様のために、金色の紙銭などを燃やす。
 供え物に差したさきほどの線香が半分くらい燃えたら、好兄弟たちがもう食べ終わったということで、好兄弟がやすらかに眠るよう祈り、銀の紙銭などを、さきほどよりも大きな火で焼く。
 終わると、好兄弟に一礼し、お供え物をありがたく頂く。
 一連の儀式が終わるまで40分から50分あまり。神妙な様子はなく、みんな楽しそうだった。


好兄弟へのお供えもの


 日本なら、間違いなく消防車が出動しそうなくらい火の勢いも強くなる。拝拝を主催するビルの管理会社の兄ちゃんが、ときどき水で火の勢いを抑えている。



 台湾でいつも感心するのは、若い人が神様や霊に畏怖の念を抱いていて、真剣に祈ることだ。これは沖縄でも感じたことだ。日本の都会ではすっかり忘れ去られている。
 僕はというと、おとついから書き始めた新しい小説がきちんと完成するように、またこれは決して好兄弟を冒涜するものではないことを、もう一度強く念じた。  
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Posted by 仲村オルタ at 22:28

2007年08月25日

好兄弟への供え物

 鬼月のクライマックス中元節が近づいている。街のあちこちで、拝拝をするための供え物が捧げられている。
 鬼月のことを詳しく調べて10日あまりが過ぎて、ようやく物語を紡ぎはじめた。ほんとうは、此処台湾で鬼月に関する物語を描くことさえタブーなのかもしれない。恐怖というものは宗教感、信仰感に深く結びつくものなんだと、改めて実感する。以前、注文恐怖小説を書いたときは、書いているときずっと恐ろしかったが、今回は今のところそれほど恐怖は感じていない。それでも冒涜することなく、真摯に物語を書こう。


 


 数日前基隆に行った。この街は猥雑さと神聖さが混在している。歩いていると、なんだか刺激を受ける街だ。好兄弟への供え物を、祈りながら、震えながら写真に撮る。明日はまた基隆に行こうと思う。今日は書き物に集中しよう。  
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Posted by 仲村オルタ at 15:23

2007年08月22日

Avril LavineとColdplay

 2003年夏。沖縄での初めての夏に、僕はひとり、ポンコツの軽自動車に乗って、沖縄本島中を走り回った。沖縄に来たことが正しかったと、おそらく自分に言い聞かせたかったのだろう。毎週のように海へ行き、泳ぎ、帰ってきて、オリオンビールを飲み、気持ちよく昼寝した。それでも、僕はいつも不安を抱えていた。世間的には恰好よく見える転職移住だが、すべてが楽しいことばかりじゃない。もちろん不平も言えない。すべては自分で望んだことなのだ。

 ラジオからはいつもAFNが流れていた。この年にもっともよく聴いたのが、Avril LavigneのComplicated,I'm with youと、ColdplayのClocksとShiverだった。いまでも、これらの曲は僕にとっては特別な曲だ。沖縄を一時離れ、新しい生活をはじめて、少しAvrilともColdplayとも距離ができてしまったような気はする。



 Avrilは最新アルバムBest damn thingをまだ聴いていない。1stシングルになったgirl friendにはがっかりした。そこらのアイドルの唄と変わらないではないか。まぁ、本人も若いし、年相応なのかもしれないけれど。歌詞こそティーンエイジャーだが、前出の2曲は10代のガールシンガーが作ったとは思えない完成度だった。2ndアルバムもそれほど聴きはしなかったので、1stだけだったのかなと思っていたが、最新アルバムからの2ndシングルwhen you're goneを聴いて、久しぶりによい曲だなと思った。とりあえず、この曲だけをダウンロードして、沖縄の夏を思い出す昔の曲とセットでプレイリストをつくって、何度も聴く。息が詰まりそうな潮とシーブリーズの匂いが蘇る。

 日本でサマーソニックに出た後、上海と香港に行くらしい。台北に住んでから、まだ大物外タレの来台がないのは寂しいことだ。


 coldplayはラテンテイストと言われる新しいアルバムが今年出るか、どうかというところだろう。こちらも楽しみだ。  
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Posted by 仲村オルタ at 23:28

2007年08月13日

開鬼門

 台湾では、農暦(旧暦)7月のことを鬼月ということを知った。
 鬼とは、幽霊のことだ。
 今日7月1日は、地界の門が開く「開鬼門」だ。門が開くと同時に、先祖の魂や供養されない邪鬼(好兄弟と呼ぶ)がわさわさと出てくる。この一ヶ月間、人々は祈り、そして供養を行う。新しいことを初めてはいけない。結婚などもってのほか。引っ越しや旅や大きな買い物もタブーとされる。夜に洗濯物を干したり、椅子を外に出しておいてはいけないとされる。水に引き寄せられ、好兄弟が取り憑いたり、誰もいない椅子に好兄弟が座ったりするのだ。
 お盆が1ヶ月続くと思えばいいのだが、「開鬼門」というと、視覚的イメージを喚起させる。



【鬼月の説明】
 民間の言い伝えによれば、地府は7月1日に鬼門を開き、陰間のすべての魂が陽間に戻ってくるそうです。しかし、魂の中には、陽間に戻っても、帰る家がなく、あちこちさ迷う魂もあり、迷える魂に邪魔されないよう、各家では入り口に香を供え、紙のお金を燃やし、豪勢な料理を振舞って、帰る家のない魂に捧げます。7月の最後の日の鬼門が閉まる時刻になると、道士が召喚の儀式を行い、鬼門関に追い返します。言い伝えでは、この期間、幽霊に会わないようにするには、外出しないするのが一番だとされています。幽霊たちが先を争うように人間界をさ迷っており、幽霊にばったり出くわしたり、不注意でとりつかれたりすることがあるからです。でも、基本的に、台湾の鬼月は、慈悲の角度から出発しており、祖先の魂を慰めると同時に、後代の子孫の平安を守ってくれるよう願うものでもあるのです。
youth travel in taiwanより

 鬼月という言葉を知って、沖縄にいる友人の作家のことを思い出した。久しぶりにメッセージを送ってみる。僕のイマジネーションも刺激されている。彼の得意分野ではあるが、僕も台湾にいる間に、鬼月の物語をひとつ書いてみようかとも思っている。  
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Posted by 仲村オルタ at 21:00

2007年08月12日

牛肉麺

 ニュウロウメンが台湾の名物料理のひとつであることは間違いないのだが、すべての牛肉麺が美味しいというわけではない。どちらかというとはずれが多い。沖縄で、すべての沖縄そばが美味しいとは限らないように(どちらかというと、美味しくないところのほうが多い気がする)。

 

 友人の記者に今日連れて行ってもらった牛肉麺屋は確かに美味しかった。彼曰く、台北一美味しくて、週に一度は通っているという。店の名前は「清真中國牛肉館」。忠孝東路4段と延吉街の近くにある。薦められて食べてみたのは、紅燒半筋半肉麺(辛スープの筋入り牛肉ラーメン)。シャオ・ラーにしたが、結構スパイシーだった。同じく薦められた清燉牛肉湯(澄んだ牛肉煮込みスープ)もまた美味しかった。

 店内にはメッカの写真が飾ってある。後から調べてみると、「清真」とはイスラムのことだった。豚をたべないのがムスリムの戒律である。牛は徹底的に美味く食べようということか。また行ってみたいと思った店だ。  
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Posted by 仲村オルタ at 19:14

2007年08月09日

Maroon 5

 執筆には信頼できる音楽が必要だ。常にiPODから音楽を供給しているが、執筆している間に、いつの間にか意識の奥に消えてしまうものがいい。どうもしっくりこないな、となると、頻繁にiPODを操作しなければならない。そのたびに、筆が中断してしまうことになる。

 最近なかなか信頼できる音楽が少なく、COYOTEを繰り返し聴いたり、80年代あたりのGENESISのプレイリストを作ったりして何度も聴いている。梅田TSUTAYAで新しいものも借りた。LOVE PSYCHEDELICOの新しいアルバムは、クオリティのばらつきが今までのものよりも少なく、アルバムを通して聴くことができそうだ。

 そんななか、5月あたりから気になっていたMaroon5のアルバムをダウンロードしてみた。ヒットしたMakes me wonderは何これ? 80年代そのものやんか、と最初聴いたときに感じたものだ。最近オフィスでいつもICRTという洋楽放送を流しているので、その後何度もこの曲を聴いていた。新鮮みはないが、妙にしっくりくる。身体が動き出す。80年代の名曲のひとつ、everybreath you takeに似た曲もある。耳なじみがよいので、聴いていて邪魔にならない。執筆にはそれが重要なことだ。

 

 結論。僕はやっぱり自分の音楽観が決定づけられた80年代のロック&ポップスが好きなのだろう。執筆用にしばらく使えそうなアルバムを手に入れた気がした。今、Maroon5に熱狂する若いリスナーが、80年代を振り返ったなら、そのアイデアの豊富さに驚くことだろう。  
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Posted by 仲村オルタ at 11:34

2007年08月01日

塔との再会

 7月末に、大阪へ出張するチャンスがあった。

 合計15年以上暮らした関西には馴染みもあるし、いろいろな思い出もある。見る風景はほとんど記憶している風景と変わりはないが、少しずつ新しいものを発見したり、あるいは記憶に頼って行動した結果が予期しないものとなったり(たとえば何も考えず地下街を歩いていて、予期せぬ場所に出てしまったり)する。そのたびに、なんだか寂しい気持ちになる。僕はすでにこの大阪ではアウトサイダーだ。すべて望んだ結果であるのに、都合のよいときに寂しくなるのは身勝手だとは思うのだけれど。



 出国する日の朝に、急いで太陽の塔を見に行った。じっくりと見上げるのは、もう何年ぶりになるだろうか。これほどまでに、美しい芝生の公園の前に立っていることなど、意識したことがなかった。太陽の塔はいつでも此処にあって、常に一点を見つめ続ける。何も変わらない。揺るぎない。僕はお別れを言うように、ぐるりと一周見渡して、写真をとる。時間があれば、一日中芝生の上に座って、見上げていたかった。












 それでも、前に進まなければならない。  
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Posted by 仲村オルタ at 20:00
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プロフィール
仲村オルタ
仲村オルタ
職業:書き物一切。
職人のごとくただ書くのみ(としたい)。
公式サイト alt99.net
台湾より沖縄復帰後1年で関西へ。まさかの東京暮らしを経て、流れ流れて今は沖縄暮らし。
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