2007年07月07日

烏來へ

 土曜日に久しぶりに出掛けた。最初は、もっと遠出しようとしたのだけれど、特急が無座券しかとれなさそうだったので、あえなく挫折。目的地を変更し、地下鉄とバスを乗り継ぐ温泉地烏來(ウーライ)を目指した。

 地下鉄南北線(と勝手に呼んでいる)の端、新店からバスに乗る。相変わらずバスの運転は乱暴で、そんなに急がんでもええやろ、というくらいに山道をぶっ飛ばし、30分くらいで目的地烏来に着いた。

烏來へ

 台湾の温泉街は、何処か日本の温泉街に似ている。ただし、とても暑い。河沿いに高級スパから古びた温泉までたくさん並んでいるのだけれど、われわれの目的地は川べりにある無料の露店風呂だ。着替え所も簡素なものならある。

烏來へ

 温泉は何処でもそうなのだろうが、地元の人々のゆんたく所になっている。年配の人は気軽に「日本からですか」と日本語で話しかけてくる。そのひとりの老人がしきりに川遊びを誘ってくる。川で一緒に泳ぎましょう、大丈夫、浮き輪があるから危なくない、と言う。

烏來へ

 まずは温泉で温まりますと言って遠慮したものの、外は焼けるように暑い。こんな夏の炎天下で露天風呂にはいるという経験もあまりない。温泉池は、地元の人かあるいは常連さんのゆんたく場になっている。こういう場所では、言葉が思うように使えないのはいつも少しもどかしい。

 ひととおり温泉にも浸かって暑くなったので、その場を辞そうとすると、もう一度同じ老人が誘ってきた。もう一度遠慮したが、まるで人生最大の楽しみをひとつ失ってしまうのは惜しいとでも言いたげに強く誘う。そんなに誘って貰えるなら、ということで川へ出た。浮き輪(実は幼児自転車用のゴムチューブ)をつけていざ川へ。川は適度に深く、適度に流れがあって、結構楽しい。フィンがないと泳げない僕は、おそらくゴムチューブなしでは必死にならないと泳げないだろう。

烏來へ
泳いだ川(俯瞰)

 このおじいは日本人旅行者と何人も、何度も泳いでいるらしく、何枚も写真と旅行者からのお礼の手紙を持っていた。「この川で泳いだ日本人はあまりいないので自慢になりますよ」とおじいは言う。バナナもパパイヤもごちそうになった。少しばかりの貴重品の入った鞄を掘っ建て小屋に置いて川遊びをするのは少し不安だったが、おじいは自信を持って「みんながいるから大丈夫」と言う。こういうことがあると、確か昔の日本はこうだったな、とよく思う。

 十分楽しんだあと、おじい、おばあに礼を言い、我々は烏來を後にした。

烏來へ

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Posted by 仲村オルタ at 23:36
この記事へのコメント
ふと画像から立ち寄ったのですが、かなりいい感じの場所、そして人達ですね☆
沖縄の隣の台湾魅力を感じます。
久々にアジア放浪したくなりました!!
Posted by zyosui at 2007年07月12日 23:41
台湾にはいい温泉がたくさんあります。人も感じのよい人が多く、いいところですよ。チャンスがあれば放浪してみてください。
Posted by おるた at 2007年07月14日 22:59
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台湾より沖縄復帰後1年で関西へ。まさかの東京暮らしを経て、流れ流れて今は沖縄暮らし。
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