2009年12月22日

阿凡達

 アバター(avatar)を観た。3D映画革命といわれるこの映画を楽しむために、IMAXを予約して観に行った。個人的には、3Dというのはあまり重要な要素ではない。むしろ、3Dゆえに、観ているものの脳処理にワンクッションおいてしまい、映画的陶酔から覚めてしまうこともあった。それにしても、この映画は傑作である。圧倒的に美しい画面、悲しいほどの人間の欲と性(さが)。ジェームズ・キャメロンはまたしてもエポックメイキングな映画を作った。

阿凡達

 物語の舞台はパンドラという惑星。ここにナヴィという猫科動物から進化した人間が住んでいる。この居住区の下に、巨万の富をもたらす鉱物がある。それを奪うために人間はこの星に訪れる。ナヴィの身体に人間の意識だけを伝送したアバターを使って、彼らの居住区に侵入するのだ。
 とにかく、パンドラのジャングルが圧倒的に美しい。このジャングルでナヴィは獣や精霊たちと共生している。それに比べ、人間のすることがあまりに卑劣なこと。聖なる樹を攻撃するシーンには、その愚かさが悲しくて思わず涙してしまった。
 ストーリーはかなりシンプルで、わかりやすいものだ。アバターとして潜入したジェイクは、やがてナヴィの酋長?の娘と恋に落ちて、自分の愚かさに気づく。アバターは、伝送装置内で意識を送り込む人間が眠っている間しか活動できないという制約があり、この制約が物語にサスペンスを持ち込む。誰にでも楽しめる映画を目指しすぎたのか、ジェイクとナヴィの娘ネィティリとの肉体と魂の交感がややものたりない気はするが、この映像世界を前にすれば、それも多少のことと思えてしまう。
 映画はこれから3Dばかりになるのだろうか? 僕は「ああ、ここは3Dだから立体感があるのだな」などと、いちいち頭で映像を変換してしまい、かえって戸惑ってしまった。ひょっとしたらこれは、人々が写真から活動写真へ移行する時期に味わった困惑のようなものかもしれない。できればこの映画は、もう一度2Dの巨大スクリーンで観てみたいと思う。

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Posted by 仲村オルタ at 19:15
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