2006年05月21日

【インド旅行記04】近づいてくるヒトの8割が詐欺師と思え・・

【インド旅行記04】近づいてくるヒトの8割が詐欺師と思える国で2割の善良なヒトを見つけられるだろうか?
(タイトルが長すぎてti-daブログの仕様でははみ出てしまった)

 そろそろ固い話題に疲れてきたので、トラブルの話を。
 たぶん1回に収まりきらないので、その第1回になるだろうと思う。
 念のために言っておくけれど、僕は偏見がまったくないとは思わないがどちらかというと博愛主義者で、自分が文明社会の申し子のように思っているわけでもなく、差別的に蔑んでみているわけでもない。でも、少なくともこの短期的なバックパック旅行という中途半端な旅程では、僕は出会う人をほとんどひとりも信じられなかった。唯一信じられそうなオヤジは、ガンガーで船に乗せてくれたボートマンのおじいだろうか。

【インド旅行記04】近づいてくるヒトの8割が詐欺師と思え・・

【怪しげな旅行社01】
 デリーには夜の8時過ぎについた。地理に不案内な僕のような者は、空港からデリー市内までは、プリペイドタクシーを選ぶのが無難な選択なようだが、「地球の歩き方」によると、プリペイドタクシーに乗ると、わけのわからない旅行社に連れて行かれて、やれ予約しているホテルはもう一杯だの、なんのかんのといちゃもんをつけられ、別のホテルに連れて行かれたり、旅行の予定をうっかり話したりしようもんなら、高いツアーを次々と薦められ、適当に不安を煽られて、つい申し込んでしまったりするケースが多いそうだ。

 僕もバックパックを抱えて、プリペイドタクシーに乗り込んだ。運転手のほかに、助手席に怪しげな男が座る。これは旅行社へ連れて行かれる顕著な例として書いてあったことだとピンとくる。

 降りてもらうかどうか。迷ったけれど、相手の手口がわかってるので、なんとかなるだろうという過信がそのときはまだあった。

助手席の男「どこへ行くんだ?」
おる「このホテルだ。予約してあるし、もう金も払ってる」
助「そうか。明日からどうするんだ?」
おる「デリーに友人が住んでいる。友人に会ってから決める」
助「そうか。デリーの何処だ?」
おる「ちゃんと知らない。明日ホテルに来てもらうことになっている」

 最初の夜のホテルは、ネットのトラベルエージェントを使って予約し、クレジット決済している。が予約したホテルのちゃんとした地図が結局見つからなかった。

 友人が住んでるなんていうのは、もちろん嘘である。このあと、ヴァラナシに行くとでも行ったもんなら、へんなツアーを薦めてくる隙を与える。といっても、翌日のヴァラナシ行きの飛行機は、当日空港で手配しようと思っていたので、不安なことは不安だったが、なんとかなるだろうという不思議な確信があった。

助「ホテルの場所が分からない。ツーリストインフォメーションに立ち寄って、訊いてみる」
おる「地図ははっきりしないけど、間違いなくこのエリアにある。ここまで行ってくれ」
助「ここには何百軒というホテルがある。訊くだけだから大丈夫だ」

 しぶしぶ頷く。車は暗い路地裏を進んでいく。

助「さぁ、降りて。場所を確認しよう」
おる「あんたが訊いてきてくれ。おれは此処で待ってる」
助「さ、いいから」
 助手席の男は、そのまま建物のなかに入っていってしまった。看板には確かに「i」の文字があるけれど、こんな夜遅くに、公的なツーリストインフォメーションが開いているとは思えない。
 仕方ないなと思いながら、荷物を全部抱えて、建物に入った。クーラーががんがんに効いた小綺麗なオフィスだった。
 店の奥にターバンを巻いた怪しげな男が、満面の笑みを浮かべて座っていた。
ターバン「ハロー、サー。どうしました? さぁ、座って」
おる「その必要はない。俺はただこのホテルに行きたいだけだ。場所を教えてくれるというから、ここに寄っただけだ」
 そこで助手席の男とターバンの男はなにやらヒンディ語で協議を始める。無理だろうと判断したのか、ok,u can go.ということになった。

 タクシーに戻った。助手席の男はもう乗り込んでこなかった。タクシーは何事もなかったようにホテルのあるエリアに入り、しばらく徐行運転するとい、ホテルはすぐに見つかった。少なくとも運転手のほうは、最初から、だいたいの場所の目処はついていたのだろうと思う。
 いきなりこの調子だ。この先いったいどうなるのだろう?
 ホテルの部屋でひとり、シーリングファンの回転をじっと見つめながら、僕は溜息をついた。

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Posted by 仲村オルタ at 22:28
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職人のごとくただ書くのみ(としたい)。
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台湾より沖縄復帰後1年で関西へ。まさかの東京暮らしを経て、流れ流れて今は沖縄暮らし。
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