2014年08月13日

トランスフォーマー考

 監督マイケル・ベイによるトランスフォーマーシリーズの実質的なリブート作「トランスフォーマー・ロストエイジ(原題:絶滅の時代)」をIMAXでみた。このシリーズは公開年のトップ10にはでてこないし、マイケル・ベイも個人的には好きな監督ではないのだが、なんとなく見てしまうのは、おそらく予告編が素晴らしいからだろう。あるいは、予告編でトランスフォームをみたときに、これを本編の大きい画面(できればIMAX)でみたいと思ってしまうからだろうか。

トランスフォーマー考

 前作「ダークサイドムーン」は、やり過ぎ感があってIMAXでみたものの、あまり楽しめなかった。テクノロジーが進みすぎて、作家の想像力が欠如しているように思えた。もっとも印象にのこったのは、911を彷彿とさせるシーンを堂々とやりきるハリウッド映画の姿勢だろうか。「トラウマ? それがどうした」と言わんばかりの潔さを感じたものの、見ていてあまり気持ちのいいものではなかった。
 この新作についていえば、前作、前々作よりは楽しむことができた。ストーリーなんてもともとどうでもよいのだろう。とはいえ、蜜月だったはずの人間とオートボット軍団の関係が崩れたところからリブートしたのは、新たな緊張感を生み成功している。変身シーンについては、オプティマスやバンブルビーなどおなじみのキャラクターの伝統的トランスフォーミングは格好よかったが、新種の人造トランスフォーマーのパーツがバラバラになって変形や集散を繰り返すほうは爽快度は失われていた。ただ、新しい(というか今回が新登場となる)絶滅の時代の象徴:恐竜型トランスフォーマーの登場も唐突だが、なんだか映像だけでワクワクするもの事実だ。
 とはいえ、やはり突っ込みどころ満載。中国市場を意識しすぎた画面づくりの割には、北京と香港が車ですぐに行ける距離にあったり、香港のすぐ真裏に水墨画の世界(重慶?)そのままの深い山林があったりで、その山林からダイナボット(恐竜型トランスフォーマー)が登場シーンは大ヒットした中国ではおそらくは大爆笑だったに違いない。細かいところは気にするな的な、マイケル・ベイの潔さもここまで突き抜けると感服に値する。
 こうして振り返ってみると、やはり個人的にこの映画をIMAXの2300円なる高価を払って見る理由は、トランスフォーミングのシーンにあるのだと結論づけられる。男の子的ななにかを呼び起こすのだと思う。便利なことに、1-3までのトランスフォーミングシーンをすべて編集し10分にまとめてくれたyoutube映像がある。ここだけでも、大画面で繰り返しみたいものだと思うが、続けてみるのはさすがに疲れる。


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Posted by 仲村オルタ at 20:38
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