2005年01月07日

【島コラム小 050107】宮古市をめぐる奇妙な対立

島コラム小 89 宮古市をめぐる奇妙な対立

★宮古島地域の合併が名称問題で揺れている。揺れているという
わけでもないが、落としどころの見えない奇妙な対立が報道され
ている。伊良部町(伊良部島、下地島)+宮古島内の2市町(平
良市、城辺町)という少し歪な形でスタートした合併協議会が、
宮古島の残りの2町村(上野村、下地町)が加わり、めでたく名
称も「宮古市」と決めようかというときに、既にその名前で何十
年も商売している(名乗っている)岩手県宮古市が「困惑」し、
質問状を送っているというのだ。しかし、伝えられているところ
によると、名称を変更してほしいわけではなく、「事前に相談し
てほしかった」ということらしい。要するに筋を通せということ
だ。

★昨年12月25日の記事では「 宮古市の北村朋生総務企画部
長は「このような事態になり市としても戸惑っている」と説明し、
「絶対反対だ、とけんかをする気はなく、事前に説明してほしかっ
た。穏便に済ませたい」と困惑を隠しきれない様子で話した(琉
球新報)。」と伝えられていたが、1月6日の記事では岩手側か
ら質問状が届いたと伝えられた。1.新市名称を「宮古市」とし
た経緯、2.同一名称で混乱が生じないと判断した理由、3.な
ぜ事前に岩手側に照会しなかったか4.同一名称にした場合のメ
リットなどを訊いているらしい。沖縄の宮古合併協議会サイドも、
住民投票などによる名前の投票などせずとも、みな「宮古市」で
よいだろうという暗黙の了解のもと決めてしまったので、1.の
説明は難しいだろう。岩手宮古市サイドは、回答を見て対応を決
めるとのことだが、やめてくれならやめてくれという意図を出す
べきだろうと思うし、この「質問状」の意図が明確ではないので
どうしても奇妙に映る。記事にははっきり書かれていないが、
「そんなこと言われてもな」という合併協議会のムードのみなら
ず、沖縄のメディア側のクールな姿勢がこんな記事のトーンを生
んでいるのかもしれない。

★そもそも日本全国に同一市町村名がないかというと、以下のサ
イトによると、わんさか溢れている。合併による多少の差異はあ
るかもしれないが、同一名称(漢字)地方自治体は全部で248
もある。最も多い「朝日」などは、全部で全国に9自治体ある
(うち朝日町5、朝日村4)。山形県には同一県内に朝日町と朝
日村があったりする。同一名称かつ同一読みの市ならどうかとい
うと、一例しかなくて、東京都府中市と広島県府中市(他に同じ
広島県府中町がある)だけだ(同一読みなら7ケースある)。い
ずれの府中市も昭和の大合併時(1954年)の成立のようなの
で、問題にならなかっただけなのかもしれない。

都道府県市区町村

★とはいえ、実際上沖縄県宮古市と岩手県宮古市を勘違いするひ
とが出てくるかというと、関西→沖縄の移住者としては勘違いす
るケースはあまり想定できない。同一名称を禁止するような法律
もないので、岩手県側としては、本音としては「宮古島市」にし
てほしいのだと思うが、現実的にはただ「筋を通せ」ということ
だけだろうとは思う。こうした争いは、表面化するまえに、行政
どうし双方おとしどころを決めて、シャンシャンするのに、表面
化するあたり、岩手県側はよほど腹にすえかねたのだろうとは思
う。そもそも「宮古」というのも当て字なので、思い切って「み
ゃーく市」としてみるのも味があってよいと思う(南西BLOGとか
見てると同じような考えをしている人もいるようだ)。部外者の
勝手な言い分ですみません。

(短況)
 年越しの31日1日はとてもとても寒い沖縄でしたが、2日3
日はとても暖かくなり、また平常気温程度に戻るというサイクル
を繰り返しています。今年は旧正月が2月に来るので、そのころ
が一番寒くなるかもしれません。個人的には、早く新しい小説に
とりかからねばとやや焦ってきております。おるた

その後、市の名前は「宮古島市」に決まりました。
伊良部町の参加、離脱、参加問題もありましたが、
この背景にあるフィクサーと町議会議員の動きは
あとでドキュメント番組で知って、小説のネタになりそうだ
と感じていました。

宮古島市

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Posted by 仲村オルタ at 01:00
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職人のごとくただ書くのみ(としたい)。
公式サイト alt99.net
台湾より沖縄復帰後1年で関西へ。まさかの東京暮らしを経て、流れ流れて今は沖縄暮らし。
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