2013年05月25日

2013年前半の映画まとめ

 執筆に入っているので、見る映画の本数も自ずと多くなる。本もたくさん読むようになる。それは必要なことだからだ。カンヌ映画祭の審査委員長がスピルバーグだという。ふーん、世の中変わったものだと思う。スピルバーグは嫌いなわけじゃない。好きではない映画はあるけれど。A.Iやジュラシック・パークやマイノリティ・リポート、ジョーズ、alwaysなどなど好きな映画はたくさんある。
 毎年ベストムービーを年末に選んでいるが、今年前半(2012.12から2013.5)には9本映画館など(1本は飛行機内)で観た。なかなか良いペースだ。
 最も印象が強かったのは「クラウド・アトラス」。これは映画館で2度観ている。アメリカでの評判も、興行成績も、日本での興行成績も芳しくないようだが、マッハGOGOで不発だったウォシャウスキー姉弟(兄弟がいつのまにか変わっていた)が創作意欲も心の琴線も揺さぶる快作を届けてくれた。特にソンミ451のエピソードがよい。あとは、文明崩壊後のオールド・ジョージーのキャラクターもいい。
 ほかに、昨年のフロイトとユングの話があまりにも個人的には不発だったクローネンバーグの新作「コズモポリス」も良かった。途中、デモのシーンで巨大ネズミのオブジェを高く掲げるシーン。あの空虚で、ナンセンスで、カラカラに乾いた画面の質感はクローネンバーグにしか撮れない。傑作イグジステンズのゲーム内シーンを思いだした。触発されて読んだドン・デリーロの小説の語り口も恐ろしく格好いい。ポール・オースターに捧げる小説、ということで、個人的嗜好のリングはつながったと思った。
 4月に観た「ハッシュ・パピー」(Beasts of the Southern Wild)も良かった。ラストシーンが秀逸だ。12月に観たスカイフォール。007ダニエル・クレイグがスカイフォールで立つシーン、MI6ビル上で立つシーンが格好いい。背中を見せた立ち姿で格好いいと思わせる演技者はいまやダニエル・クレイグしかいないかもしれない。ストーリーは思っていたほど重厚でもなく、少しがっかりしたけれど。ほかには、久しぶりに観たレオス・カラックス「ホーリーモーターズ」、やたらと上手いなと思ったら「イングロリアス・バスターズ」にもでていたクリストフ・ヴァルツかとわかり納得したタランティーノ「ジャンゴ」、質感はわるくないし絵も格好いいがオフビートさとストーリーテリングをやや放棄しつつあるポール・トーマス・アンダーソン「ザ・マスター」など。印象的な映画も多かった。「君と歩く世界Rust And Bone」のラスト10分くらいのうちのバタバタとしたなかの胸を締め付けるような痛みもまた忘れられない。
 今年後半はどのような映画が公開されるのだろう。楽しみでもある。
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Posted by 仲村オルタ at 15:30
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