2008年09月29日

布萊德彼特之即刻毀滅

 コーエン兄弟の新作"burn after reading"を観た。アカデミー作品賞などを受賞した前作"no country for old men"から僅かに1年あまり。この創造欲は素晴らしい。そして、何作に一作はこういう遊び心溢れる映画を撮る。たいていは失敗?しているのだが、本作はそのなかでもなかなか面白く撮れているのではないだろうか。

布萊德彼特之即刻毀滅

 描かれているのは人間の愚かさだ。言い換えれば、愚かさゆえに人間であること描く。コーエン兄弟のブラックさのうちでは、善人は死なない(かあるいは善人を殺したら報復を受ける)というルールさえ有効ではない。ファーゴほど切ない愚かさは感じなかったが、コーエン兄弟がやりたいことをやりたいようにやっている爽快感は感じた。なによりも出ている俳優が楽しそうだ。
 台湾での公開タイトルの前に「ブラッド・ピットの」という修飾がついている。主演はジョン・マルコヴィッチかと思いきや、フランシス・マクドーマンド?、いやジョージ・クルーニーだろうか。マヌケな演技が絶妙なブラッド・ピットではないことは確かだ。

 好きな監督はそこそこいるが、コーエン兄弟とスティーブン・ソダーバーグは目標としたいクリエイターだ。目標とするにはややハードルが高いのは承知のうえだが、今日拙作の初稿が出来上がったばかりなので舞い上がっているうちにそう書いておこうと思う。

極私的レイティング
ブラッド・シンプル(Blood Simple 1984年) ★★★1/2
赤ちゃん泥棒 (Raising Arizona 1987年)  ★★★
ミラーズ・クロッシング(Miller's Crossing 1990年) ★★★★
バートン・フィンク(Barton Fink 1991年) ★★★★
未来は今(The Hudsucker Proxy 1994年) ★★1/2
ファーゴ(Fargo 1996年) ★★★★
ビッグ・リボウスキ(The Big Lebowski 1998年) ★★★★
オー・ブラザー!(O Brother, Where Art Thou? 2000年) ★★1/2
バーバー(The Man Who Wasn't There 2001年) ★★★★
ディボース・ショウ(Intolerable Cruelty 2003年) ★★1/2
レディ・キラーズ(The Ladykillers 2004年) ★★1/2
ノーカントリー (No Country for Old Man 2007年) ★★★★
Burn After Reading 2008年★★★

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Posted by 仲村オルタ at 22:17
この記事へのコメント
burn after readingのそちらでのタイトルが布萊德彼特之即刻毀滅なのでしょうか?
字幕と吹き替えはどんな感じなのでしょう?
Posted by ちょっと通りすがり at 2008年10月27日 20:04
少し遅くなりました。そうです、台湾での公開タイトルが「ブラッドピットの即刻毀滅」でした。吹き替えはないと思います。中文字幕は英語ヒアリングを助けるのに役立ちますが、字幕の正しさや翻訳の妙を判定するほど英語も中文も得意ではないので、的確なお答えできません。すみません。
Posted by 仲村オルタ仲村オルタ at 2008年11月16日 15:33
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