2007年07月24日

終極警探4.0

 ダイハード4.0を見た。日本に遅れること3週間あまりの公開だ。逆に「哈利波特」は1週間近く早く始まっている。でも、残念ながら「哈利波特」は僕が熱狂する映画シリーズではない。

 ダイハードの第1編を見たのは、僕がまだ学生の頃だ。当時京都に住んでいた僕は、アメリカで大ヒットして絶賛されていたこの映画を楽しみにしていて、先行オールナイト上映にて見た。パーフェクトなプロット、心憎いほどの伏線、サスペンス映画のお手本みたいな映画だった。軽口を叩きながら敵をやっつけていくブルース・ウィリスのスタイルは、それ以降のアクション映画でもよく見かけるものだ。エポックメイキング・ムービーのひとつであるこの映画は、今観てもとても面白い。

終極警探4.0

 だが、ダイハード4.0は残念な映画だ。なぜ、こんな映画を作ったのだろう? 九〇年代的なハッキングテロという素材で、結局は人質を追っかける話に帰結するこの前近代的映画が12年ぶりのダイハードシリーズにふさわしいと思ったのは誰だろう? ダイハードシリーズはハングアップ・ムービーのエポックメイキング・ムービーだが、まったくはらはらどきどきしない。画面のなかとはいえ、人が死んでいくのを見るのはもちろん気持ちのよいものではないが、あれだけドンパチやって主人公や敵の女が死なないのは、滑稽ですらある。しかも、監督は僕もお気に入りの「アンダー・ワールド」シリーズのレン・ワイズマン。でも、映像美も、様式美も感じられない。4.0というタイトルもdigitalライクにしようとしすぎて何となく古い。windows3.1の古い画面を思い出すような映画だった。

 エンドタイトルで観客を追い返す台湾の映画館スタイルには今も腹がたつのだが、今回は促されて、自然に席を立ってしまった。ここにダイハードの終焉をみた。アナログとデジタルの世代差の象徴みたいに引き合いにされた、CCRのエンドタイトルが恐ろしく格好よく、そしてむなしく響いた。

(極私的採点 ★)

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Posted by 仲村オルタ at 23:30
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