2006年11月19日

タンク跡通りのトックリキワタ

トックリキワタの花を意識して見るようになったのは、去年の秋のことだろうか。

タンク跡通りのトックリキワタ

 濃いピンクの花は、年明けに咲く寒緋桜のように切ない色ではない。でも、年の瀬が近づいていることを意識するせいか、個人的にはなんだか不安になる花である。和名はヨッパライノキというらしい。南米原産のこの木がアルゼンチンでpalo(木)borracho(酒に酔った)と呼ばれていることに由来する。ナンヨウザクラと呼ばれるとの記述もあるが、ナンヨウザクラは別にあるのでこれは誤用だろう。でも、サクラ並木のように美しいのも事実である。

タンク跡通りのトックリキワタ

 那覇市与儀に、タンク跡通りと言われる対向一車線の通りがあり、この時期トックリキワタが咲き乱れている。このエリアには、沖縄大学もあり、その他賃貸アパートも多数あり、お洒落というわけでもないがリーズナブルで個性的な店が多数ある(ように目に映る)。いわゆる駅前商店街という概念がない此処沖縄で、いわゆる駅前商店街的な雰囲気のする町が、此処与儀タンク跡周辺だ。

 今日は午前中に選挙の投票を済ませ、書評(コータロー氏の「雷の季節の終わりに」)を仕上げ、今月の美術月評の書き出しが浮かんだので少し書いてみた。

 文章というのは、不思議なもので、書けなくてもキィボードに触れて書こうとしなければ、どんどん遠ざかっていく。あれこれもがいていれば、或る瞬間にふっと雲間を抜けたように答が見つかる。今回書評を書いていて特にそう思った。こんなことを言っているようでは、いずれにしても職人にはまだ遠い。僕は芸術家になりたいわけじゃない。職人になりたいのだ。

 これから2時間、自作のひとりブレストに集中する。

 書評は来週日曜日(11/26)、美術月評は翌月第1水曜日(12/6)、いずれも琉球新報掲載です。

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Posted by 仲村オルタ at 14:52
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